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2026.04.28
建設業者向けお役立ち情報
「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」で若者に選ばれる企業へ

1.深刻化する人手不足と「縮小」への危機感

近年、建設業界における人手不足は、もはや一時的な問題ではなく「構造的な課題」として深刻化しています。かつて平成9年には約455万人いた建設技能者は、令和6年には約300万人まで減少しました。全産業に占める建設業従事者の割合も10.45%から7.03%へと低下し、業界全体の縮小傾向が顕著に表れています。
さらに問題を深刻にしているのが年齢構成の偏りです。60歳以上の技能者が約25.8%を占める一方、15歳以上30歳未満はわずか11.7%にとどまっています。これから大量の熟練技術者が引退していくにもかかわらず、それを補う若手人材が圧倒的に不足しているのです。 都市開発やインフラ整備、頻発する自然災害への対応など、建設需要はむしろ拡大傾向にあります。しかし、働き手の減少により一人当たりの業務負担は増加し、「働きにくい業界」というイメージが強まることでさらに求職者から敬遠されるという悪循環に陥っています。このままでは技術の継承が途絶え、最悪の場合「人手不足倒産」に至る可能性すらあります。
 最近の建設産業行政について

2.なぜ若者は定着しないのか?(ハーズバーグの「二要因理論」から読み解く)

この状況を打開するためには、若者が求める働き方と、業界の現状とのギャップを正確に把握する必要があります。厚生労働省の調査によると、若年層が転職を考える理由のトップは「賃金条件の良い会社に移りたい」(59.9%)、次いで「労働時間・休日などの条件改善」(50.0%)です。
 厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」
ここで、米国の臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した「二要因理論」を用いて現状を分析してみましょう。ハーズバーグは、仕事に対するモチベーションは「衛生要因」と「動機付け要因」の2つから成り立つとしました。
衛生要因(不満を招く要因): 給与、労働条件、作業環境、休日など。これらが不足すると、人は仕事に対して「不満」を抱きます。
動機付け要因(満足をもたらす要因): 達成感、承認、責任、成長、キャリアアップなど。これらが満たされると、人は仕事に対して「やりがい」や「満足」を感じます。
現在の建設業が抱える「長時間労働」「週休二日が取りにくい」「日給制による収入の不安定さ」といった課題は、まさに「衛生要因の欠如」です。若者が求める「適正な給与」「安定した収入」「十分な休暇」といった当たり前の環境が整備されていないため、不満が募り、離職や敬遠につながっているのです。

3.「不満の解消」だけでなく「やりがいの創出」へ

では、給与を上げ、休みを増やせば若者は定着するのでしょうか? ハーズバーグの理論によれば、衛生要因の改善はあくまで「不満をゼロにする(マイナスをゼロにする)」効果しかありません。それだけでは「この会社でずっと働きたい」「もっと技術を磨きたい」という前向きなモチベーションには繋がらないのです。
意欲を引き出すためには、同時に「動機付け要因」を満たす必要があります。これまでの建設業は「見て覚える」文化が強く、技術習得への道のりが属人的で不透明でした。今後は、動画やデータを用いた分かりやすいマニュアル化や、OJTを通じた実践的な指導により「自分が成長している実感」を与え、そのスキルを正当に「評価・承認」し、給与や役職に反映させる仕組みづくりが不可欠です。

4.解決の切り口:「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」

この「衛生要因(環境改善)」と「動機付け要因(評価と成長)」の両方を同時に実現し、企業としての姿勢を対外的にアピールする強力なツールが、国が推進する「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」です。
建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度|ポータルサイト
本制度は、企業が技能者の処遇改善やキャリア形成に本気で取り組む姿勢を社内外に明示するものです。具体的には以下のような取り組みを宣言し、実行します。
労務費の適正確保や週休二日制の推進: 技能者が安心して働ける「衛生要因」をしっかりと整えます。
CCUS(建設キャリアアップシステム)の活用: 技能者の経験やスキルを客観的に記録し、能力に応じた適切な処遇を実現します。これは「あなたの頑張りを正当に評価し、キャリアを支援する」という明確なメッセージとなり、若手の「動機付け要因(承認・成長欲求)」を満たします。

5.制度活用による相乗効果と企業メリット

この自主宣言制度に参加することは、企業にとって単なる社会貢献ではなく、直接的な経営メリットをもたらします。
採用力と定着率の向上: 求職者に対して「技能者を大切にするホワイト企業」であることを証明でき、数ある企業の中から選ばれやすくなります。
評価の向上: 発注者からの信頼度が高まるだけでなく、経営事項審査(経審)での加点評価項目として新設される予定であり、入札等における経営的な優位性に直結します。
もちろん、宣言を形骸化させないためには、国が用意する各種助成金制度などを積極的に活用し、企業単独では負担の大きい福利厚生の充実や、指導層に対する「教える技術」の研修実施など、実態の伴う環境整備を進めることが重要です。

6.これからの建設業に求められること

建設業が今後も社会インフラを支える不可欠な存在であり続けるためには、「人を大切にする産業」へと進化することが不可欠です。人手不足は確かに大きな課題ですが、見方を変えれば、従来の慣習にとらわれず新しい働き方を取り入れる「変革の最大のチャンス」でもあります。
人が集まる会社には、給与や休日(衛生要因)が整っており、かつ成長や評価(動機付け要因)が得られるという明確な理由があります。そして、人が離れる会社にも必ず理由があります。 今こそ、その「理由」と真剣に向き合い、「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」を通じて、若者に選ばれる魅力ある企業へと変わる一歩を踏み出す時ではないでしょうか。

執筆者 T

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