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2026.04.15
建設業者向けお役立ち情報
ISOを難しくしないために

中小建設業におけるISOの目標設定

ISOに取り組もうとしたとき、多くの建設事業者が最初に戸惑うのが「目標設定」です。
品質目標や環境目標を設定しなければならないと分かっていても、
何をどう決めればよいのか分からない。
結果として、自社にフィット感のない抽象的な目標を掲げてしまい、
現場と結びつかないまま形骸化してしまう。
このようなケースは決して少なくありません。
その結果、施工品質向上を目的にISOに取り組みはじめたのに
肝心のISOと実務に繋がりがないため、
施工品質は上がらないままというジレンマが生じています。

これまで多くの中小建設会社でISO導入支援してきた中で強く感じるのは、
ISOの目標設定は本来もっとシンプルかつ自由でよいということです。
むしろ難しくしているのは、「ISOらしい目標を作らなければならない」という
思い込みかもしれません。
例えば、品質マネジメントシステム(ISO9001)を例に考えてみましょう。
ISO9001における品質目標は、品質を安定させるための取り組みを具体化するものです。
もう一つ加えるならば、顧客満足の向上を実現するための
取り組みを具現化するものでもあります。
自社では、品質安定のために何を目指しているのか。
顧客満足向上のために、何を心がけているのか。
そこで浮かんだことを、社内で日常使われる用語で端的に表していただく。
これがISOの目標設定における基本の考え方になります。

おすすめの品質目標とは

品質マネジメントシステム(ISO9001)の目標設定で私たちがしばしばお勧めするのが、
「工事成績評定点」をそのまま品質目標にする考え方です。
例えば、「発注工事において平均80点以上を獲得する」といった形です。
これは非常にシンプルですが、実は多くの利点を持っています。
まず、数値として明確であるため、達成したかどうかが誰にでも分かります。
また、発注者からの評価そのものなので、現場の担当者にとっても経営者にとっても、
日常的に意識しやすい指標です。
そして何より重要なのは、ISOと建設事業者の主業務が完全に一致する点です。
ISOのために別のことをやるのではなく、
日々の工事の質を高めることがそのままISOの達成につながる。
この状態が理想です。
 一方で、まだ公共工事の実績が少ないとか評定点が出る段階にない企業もあります。
そのような組織に有効な品質目標もあります。
それは「労働災害発生件数ゼロ」を品質目標として設定する方法です。
一見すると安全管理の話のように見えますが、
実際には品質と非常に密接に関係しています。
現場で労働災害が発生すれば、工期の遅れや発注者からの信頼低下につながります。
場合によっては行政指導や取引停止といった影響も出てきます。
これらはすべて、品質上の問題として扱われるべきものです。
つまり、安全は品質の一部であり、
「安全第一」という日常の取り組みをそのまま品質目標に展開することで、
実効性の高いマネジメントシステムの運用が可能になります。
ここまでが品質目標の考え方です。

愛知県建設局、都市・交通局及び建築局 総合評価落札方式(建設工事)運用ガイドライン
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/517628.pdf

おすすめの環境目標とは

次に環境目標について見ていきます。
環境マネジメントシステム(ISO14001)の環境目標というと、
「紙の使用量削減」「電気使用量削減」「産廃削減」といったテーマがよく挙げられます。
もちろん間違いではありません。
しかし、建設業においては、これらの目標が現場実務とやや離れてしまうことがあります。
総務部門より実働部門に人数やリソースを傾けている中小建設業では
紙の使用量を毎月集計したり、電気使用量をグラフ化したりすることに
負担を感じるケースも少なくありません。
そこで有効なのが、「現場で既にやっていること」を
そのまま環境目標に置き換えるという発想です。
例えば、「受注工事において環境配慮に関する創意工夫を実施する」という目標です。
公共工事では、創意工夫の提案や実施は日常的に行われています。
騒音低減の工夫や、資材の再利用、施工方法の改善など、
現場ごとに様々な取り組みが行われているはずです。
それらをISOの環境目標として位置づけ、記録に残し、横展開していく。
この運用を行うことで、環境対応と施工品質向上が同時に進みます。
 また、この方法にはもう一つ大きなメリットがあります。
各現場の創意工夫がISOの帳票に蓄積されることで、
社内のナレッジとして共有されていく点です。
小規模事業者では、現場ごとの工夫が担当者の中だけで完結してしまうことがありますが、
ISOを通じてそれが会社全体の資産に変わります。
結果として、次の現場、次の担当者へと知見が引き継がれ、
組織全体のレベルが底上げされていきます。
 さらにもう一歩踏み込んだ環境目標として、
「防災協定に基づく出動要請に100%対応する」といった設定も考えられます。
近年は自然災害の規模が拡大し、建設業に求められる役割も大きくなっています。
こうした社会的要請に応える体制を整えることは、
環境側面の管理としても十分に意味を持ちます。
この目標を達成するためには、人員体制、資機材の準備、連絡体制の整備など、
組織としての準備が必要になります。そして実際に出動した際には記録を残し、
達成度を評価する。この一連の流れが、ISOの要求事項そのものです。
加えて、防災対応は入札評価や地域での信頼にもつながるため、
実利を伴う目標になります。

名古屋市公式webサイトより
(緑政土木局簡易型)評価基準
https://www.chotatsu.city.nagoya.jp/chotatsu_topix/news_060220h.pdf

ISOで失敗しないために

 こうして見ていくと、品質目標も環境目標も、特別なものではないことが分かります。
むしろ、すでに現場で行っている取り組みをどう整理し、どう継続的に回していくか。
その視点で設計することが重要です。
ISOで失敗しやすいのは、「ISO用の目標」を作ってしまうことです。
現場とは別に目標を設定すると、どうしても負担が増え、形骸化していきます。
一方で、主業務と一致した目標を設定すれば、ISOはむしろ業務をシンプルにし、
組織の力を引き出す仕組みになります。
中小建設事業者にとってISOは、書類を増やす制度ではありません。
現場の力をそのまま会社の力に変える仕組みです。
品質目標と環境目標の設定は、その出発点にすぎませんが、
ここを間違えなければ、ISOは確実に機能し始めます。
現場に合ったISO”をどう作るか。
そこにすべての答えがあります。
建設事業者向けISOなら唯一無二の実績を持つ私たちにご相談ください。

執筆者 雨谷文代

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