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建設業向けにISO9001やISO14001の導入支援や審査を行っていると、
建設業ならではのISOに対する誤解に出会うことがあります。
初めて取り組む制度に対して疑問や不安を持つことは自然なことです。
しかし、その誤解が原因でISO導入を見送ったり、
必要以上に難しく考えてしまったりするケースを見るともったいないと感じます。
今回は、私たちがこれまで多くの建設事業者と関わる中で
よく耳にする代表的な誤解をご紹介したいと思います。
このブログを通して、皆さまの誤解と不安が払拭できれば幸いです。
ISOを取得すると技術者が一人必要になる
最もよくある誤解の一つがこれです。
建設業では、専任技術者や主任技術者、監理技術者など、
様々な技術者の配置が求められます。
そのため、「ISO推進のために管理責任者を選任しますか」とお尋ねすると、
「また技術者を一人確保しなければならないのか」と受け取られることがあります。
しかし、ISOにおける管理責任者と建設業法上の技術者は全く別の存在です。
前回のブログでもお伝えしましたが、そもそも現在のISO規格には
管理責任者を置かなければならないという要求事項はありません。
以前の規格には存在していましたが、2015年版への改訂により削除されました。
仮に社内でISO担当者や管理責任者を定める場合であっても、
資格や経験年数といった要件はありません。
総務担当者や事務担当者が担当しても問題なく、
建設業法上の技術者配置にも何ら影響はありません。
建設業の技術者制度とISOの役割分担を
混同してしまうことで生まれる誤解と言えるでしょう。
ISOを取得すると大量の書類が必要になる
これも非常によく聞く誤解です。
建設業では施工計画書、出来形管理資料、安全書類、
工事写真、完成図書など、多くの書類を作成します。
そのため、ISOは品質管理の仕組みであると聞くと、
公共工事の竣工書類のようなファイルを何冊も作らなければならないと
想像される方が少なくありません。
しかし、実際のISOはそのようなものではありません。
もちろん必要な記録はありますが、
現在のISOは必要以上の文書を作ることを求めていません。
むしろ、自社の業務に合った自然な形で運用することが重視されています。
私たちが支援している建設事業者でも、既に作成している施工計画書や
安全書類、会議記録などを活用しながら運用しているケースがほとんどです。
ISOのためだけに新しい書類を大量に増やすのではなく、
今ある仕組みを整理し、継続的に改善していくことがISOの本来の目的です。
ISO審査は全工事を検査される
公共工事では、工事が完成すると発注者による竣工検査が行われます。
そのため、ISOも工事が終わるたびに審査があり、
合格しないと工事を引き渡せないと思われている方がいらっしゃいます。
ISO審査は公共工事の竣工検査とは異なります。
ISO審査は、会社のマネジメントシステムが適切に運用されているかを確認する審査です。
その際、審査員は会社が施工したすべての工事を確認するわけではありません。
複数の施工実績の中から、審査員が任意に案件を選び、
規格要求事項に適合しているかを確認するサンプリング審査が基本です。
また、審査員は通常、その会社を代表するような一般的な工事を確認したいと考えています。
特殊な工事や例外的な案件ばかりを見ることはほとんどありません。
つまり、一件ごとに合否を判定する検査ではなく、
会社全体の仕組みが機能しているかを確認する審査なのです。
また、竣工検査とISO審査では、確認項目も違います。
ISOでは、工事が会社のルールどおり運用されているか、
ISO9001やISO14001の要求レベルに達しているかを確認しています。
公共工事のように、工事そのものの出来栄えを採点しているわけではありません。
よって、各工事に75点とか80点といった点数を付与することもありません。
ISOは一度取得すれば永久に有効
最後にひとつ。時々みられる誤解が、
ISOを取得すれば、その認証はずっと有効というものです。
ISO認証には有効期限があります。認証を維持するためには、
毎年定期審査を受け、さらに3年に一度は更新審査を受ける必要があります。
もちろん、その間もマネジメントシステムを継続的に運用し、
改善していくことが求められます。
ISO審査に伺うと、認証取得初年度はしっかり準備を整えていても
翌年以降の審査では、対応水準が大幅に低下しているケースが稀ですが存在します。
理由を伺うと「毎年同じことをしなければいけないとは思っていなかった」との
回答が返ってきます。
ご存知の通り、建設業ではISO認証が経営事項審査や総合評価落札方式の
加点対象となります。
そのため、仕組みの有効性を維持していることが前提です。
「一度取得すれば終わり」ではなく、「取得してからがスタート」と考える方が、
ISOの本来の姿に近いと言えるでしょう。
なぜ誤解が生まれるのか
こうして見ると、どの誤解にも共通点があります。
それは、建設業の常識や経験を基準にしてISOを理解しようとしていることです。
技術者制度を知っているからこそ管理責任者と結び付けてしまう。
竣工書類を作り慣れているからこそ大量の文書を想像してしまう。
どれも建設業の経験が豊富だからこそ生まれる誤解です。
建設業に合った形で取り組めば、ISOは決して難しい制度ではありません。
まずは誤解を解くことが、ISO活用の第一歩になるのではないでしょうか。
建設事業者向けISOなら、唯一無二の実績を持つ私たちにご相談ください。

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