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2026.08.17
建設業者向けお役立ち情報
【ワークインライフ】― 働き方の捉え方ひとつで、会社の未来は大きく変わる―

働き方改革が進み、「働き方を見直さなければならない」という意識は、多くの経営者が感じているところだと思います。
その中でよく耳にするのが、ワークライフバランスという言葉。
そして最近注目されているのが、ワークインライフという考え方です。
どちらも“働き方を良くする”ための概念ですが、実は会社づくりにおいては意味が大きく違います。
この違いを理解しておくことは、これからの経営にとても重要です。

「ワークライフバランスとは」仕事と生活を「分けて考える」発想
ワークライフバランスは、仕事(Work)と生活(Life)をバランスよく保つという考え方です。
残業を減らす、有給を取りやすくする、休日を確保する、家庭の時間を大切にできるようにする。
つまり、生活と仕事は切り離して考えるべきだという発想です。
「ワークインライフとは」仕事も生活の一部として「統合して考える」発想
一方でワークインライフは、生活(Life)の中に仕事(Work)が自然に溶け込んでいるという考え方です。
仕事が自己成長につながる、働くことに誇りや喜びを感じられる、仲間との関係が心地よい、「この会社で働いて良かった」と思える。
つまり、仕事は人生を豊かにする大切な要素のひとつ として捉える考え方です。

経営者が目指すべきは、バランスのその先にある「統合」
これからの経営で本当に大切なのは、ワークライフバランスを整えたうえで、ワークインライフを実現することです。
バランスが整っていない会社では、「仕事が生活を圧迫している」という不満が出ます。
しかし、バランスが整っただけでは、「働く意味」や「やりがい」は生まれません。
だからこそ、“働きやすさ”と“働きがい”の両方をつくることが、これからの会社づくりの鍵になります。
働き方改革の時代だからこそ、“働くことが人生の一部として心地よくなる会社づくり”
これこそが、これからの企業が目指すべき姿です。

「ワークインライフ」という発想がこれからの経営に必要な理由
・従業員に「バランス」を求める限界
これまで多くの企業が「ワークライフバランス」を掲げ労働時間の削減やテレワークの導入を進めてきました。仕事とプライベートを明確に切り分け両者の時間配分を整えることで社員の満足度を高めようという発想です。
しかし、経営の現場で人事施策を考えていると、この「バランス」という発想そのものに限界を感じる場面が増えてきました。仕事とプライベートを対立するものとして扱う限り、片方に時間を割けばもう片方は削られる。トレードオフの関係から抜け出せないのです。
優秀な人材ほど、仕事にも私生活にも本気で向き合いたいと考えています。
そうした人材を「バランス」という発想だけで惹きつけ、定着させるのは、正直難しくなってきています。
・「ワークインライフ」という考え方
そこで近年注目されているのが、「ワークインライフ」という概念です。
仕事を人生と切り離して天秤にかけるのではなく、家族、友人、趣味、健康、学びなどと並ぶ、人生を構成する要素のひとつとして仕事を位置づける発想です。
この考え方の本質は、「仕事に全力を注ぎたい時期もあれば、家族との時間を優先したい時期もある」という一人ひとりの人生の変化を前提としている点にあります。
つまり、画一的な働き方のルールを全社員に一律当てはめるのではなく、個人がその時々のライフステージに応じて、仕事との関わり方を自ら選び取れるようにする。
経営者として見れば、これは福利厚生の話ではなく、人材戦略そのものの話です。

なぜ今、経営者がこのテーマに向き合うべきなのか、理由は主に3つあります。
・第一に、事業環境の不確実性への対応力です。
変化の激しい市場で生き残るには、社員が自主性を発揮し、変化に俊敏に対応できる組織である必要があります。仕事を「やらされるもの」ではなく「自分の人生の一部」として捉える社員は、指示待ちにならず、当事者意識を持って動きます。
・第二に、採用と定着への影響です。
特に若い世代の人材は、会社に人生を合わせるのではなく、自分の人生に会社をどう組み込むかという視点で就業先を選ぶ傾向が強まっています。ワークインライフを実践している企業は、この層に対する訴求力が明確に高まります。
・第三に、リモートワークが定着した後の必然です。
在宅勤務が当たり前になったことで、多くの社員はすでに生活の中に仕事を組み込む働き方を経験しています。この現実に、制度や評価の仕組みが追いついていない企業は少なくありません。
ワークインライフは理念というより、すでに起きている変化を後追いで言語化したものとも言えます。

おわりに
ワークインライフは、単なる福利厚生のトレンドワードではありません。社員一人ひとりが「自分の人生をどう生きるか」という問いの延長線上に仕事をおけるかどうかは、これからの組織の競争力に直結します。経営者に求められているのは、社員に「バランスを取れ」と求めることではなく、仕事が人生を豊かにする一部として機能する環境を、組織としてどう設計するかという問いに向き合うことです。
働き方改革の時代だからこそ、“働くことが人生の一部として心地よくなる会社づくり”
これこそが、これからの企業が目指すべき姿です。

「テレワークやリモートワークを導入できるのか」
「介護休業、育児休業について相談したい」
「多様な働き方の人材の労務管理をどうすればよいのか」
このようなお悩みがありましたら、社会保険労務士が貴社の実情に合わせて制度設計から運用までサポートいたします。お気軽にご相談ください。

執筆者 小島

〈参考〉

自社の制度や働き方を見直したい | みんなの労働ナビ | 厚生労働省

雇用についての基礎知識 | みんなの労働ナビ | 厚生労働省

従業員のスキルアップ・リスキリング | みんなの労働ナビ | 厚生労働省

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