建設業・中小企業の法務・人事サポート | 東海マネジメント&あおいコンサルタント 名古屋

mail_outline

無料相談・お問い合わせ

東海マネジメント
公式Facebook
call

行政書士・社会保険労務士

東海マネジメント

call

コンサルタント

あおいコンサルタント

ページトップへ

NEWS

新着情報

2026.09.18
建設業者向けお役立ち情報
最低賃金改定に伴う労務管理の注意点と対応策


厚生労働省の「中央最低賃金審議会」により、今年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられました。

目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均は1,176円となります。
この場合、全国加重平均の上昇額は55円(昨年度は66円)となります。また、引上げ率に換算すると4.9%(昨年度は6.3%)となります。
これに伴い、弊社の所在地である愛知県の地域別最低賃金は、2026年10月1日から『1時間あたり1,195円』へ改定されます。引き上げ幅は前年度比55円増であり、給与の計算基準に直接影響を与えます。

時給制の労働者を雇用しておらず、日給制や月給制で運用している建設会社であっても、最低賃金法の適用対象となります。
本記事では、建設業における給与換算のルール、計算時に除外すべき手当、および賃金改定が経営に及ぼす影響について解説します。

【人件費増額が及ぼすコストへの影響】
〇直接的なコスト増
最低賃金の引き上げは、対象となる労働者だけでなく、会社全体の労務コスト増加につながります。
例えば、1日8時間・月20日勤務(年間1,920時間程度)の労働者の場合、
1人当たり年間で105,600円(55円×1920時間)の人件費増となります。
雇用している人数が5人であれば、年間約52万円、10人であれば年間約105万円の直接的なコスト増加が発生する計算になります。
〇間接的なコスト増
最低賃金ラインにある給料を引き上げた場合、それまで上の等級にいた中堅層の給料との差が縮まるため、社内の不公平感を防ぐ目的で、ベースアップをせざる得ないケースが多く発生します。
その結果、会社全体の人件費負担はさらに膨らむことになります。

【日給制、月給制における最低賃金の計算ルール】
最低賃金法は給与の支払い形態を問わず適用されます。
日給や月給であっても、1時間あたりの金額(時給換算額)に計算し直し、愛知県の基準額「1,195円」を下回っていないか確認しなければなりません。
〇日給制の判定基準
1日8時間労働(所定労働時間)の場合:
1,195円 × 8時間 = 9,560円
したがって、日給が9,560円以上に設定されていない場合、最低賃金法違反となります。
〇月給制の判定基準
月給制の場合は、以下の計算式で時給換算を行います。
(基本給 + 対象となる手当) ÷ 1ヶ月の平均所定労働時間 ≧ 1,195円
例えば、1ヶ月の平均所定労働時間が173時間の場合:
1,195円 × 173時間 = 206,735円
各種手当を除いた対象給料が20万6,735円以上となっていない場合、最低賃金基準を下回る可能性があります。

【最低賃金の計算から除外される手当】
給与の総支給額が基準額を超えていても、その内訳によっては法律違反となる場合があります。最低賃金法第4条に基づき、以下の手当は比較対象の金額から除外して計算する必要があります。
最低賃金の対象から除外される賃金・手当
時間外労働手当(残業代・固定残業代を含む)・休日手当・深夜手当
通勤手当
家族手当(扶養手当)
精皆勤手当
臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
賞与(ボーナス)や決算手当
基本給の中に「固定残業代」が含まれている場合や、支給額の多くを「通勤手当」「家族手当」が占めている場合は、それらを除外した金額で時給換算を行う必要があります。

【賃金改定に伴う労務管理上の課題】
最低賃金の引き上げは、自社社員の給料改定だけでなく、以下の労務課題を伴います。
〇下請け単価・人工代への波及
自社だけでなく、協力会社や一人親方の労務コストも同様に上昇します。そのため、人工(にんく)代や請負単価の引き上げ交渉が発生しやすくなります。下請企業からの値上げ要請への対応とともに、元請け企業に対する請負契約金額の見直し交渉を含めた計画的な対応が必要とされます。
〇労働時間の管理と基本給の設定
建設業においても時間外労働の上限規制(36協定の上限)が適用されています。労働時間の短縮(残業抑制)を進めつつ、基本給の底上げを行わなければ社員の手取り収入が減少し、離職につながるリスクがあります。適正な労働時間管理と賃金体系の調整を並行して実施できる体制の整備が求められます。
〇全社的な給与バランスの調整
最低賃金の改定に合わせて新入社員や未経験者の給料を引き上げた際、既存のベテラン社員や中堅社員との給与差が縮まることで、社内に不公平感が生じる可能性があります。既存社員の昇給ルールや評価制度との整合性を保ち、モチベーション低下を防ぐ全体的な給与制度の再設計が必要です。

【まとめ】
愛知県の最低賃金「1,195円」への改正に伴い、以下の確認と対応が必須となります。
日給・月給を時給に換算し、1,195円以上になっているかの確認
残業手当、通勤手当、家族手当などを除外した正しい計算の実施
下請け単価の見直しや全社的な給与体系の整備
自社の給与体系が法令を遵守しているか不明な場合、賃金改定に伴う就業規則の見直しが必要な場合や、賃金規定の策定については、お気軽にお問い合わせください。

参考サイト

執筆者S

CONTACT

ご相談がある方は電話またはお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

行政書士・社会保険労務士

東海マネジメント

call

052-269-3630

コンサルタント

あおいコンサルタント(株)

call

052-269-3755

人材紹介

あおいコンサルタント(株)

call

052-259-7366

mail_outline