「最強の人事評価制度」とは?
「成果主義」の人事評価制度が各社で導入され、それなりの機能はしてきましたが、問題も出てきました。
その問題とは、
- 成果(結果)だけ出せば良いという自己中心型従業員の出現
- 評価対象に結び付かない作業を敬遠する従業員の出現
- 殺伐とした社内の雰囲気
などなど
人事評価制度を適正運用するためには、これらの問題を何とかしなくてはなりません。
そこで、当社の主席コンサルタントは次のように考えました。
「昭和30年代の日本のモノづくりの問題点を参考にできないのか?」と。
“昭和30年代の日本のモノづくりの問題点”とは、何なのか?
そのころの日本の製造業の品質は悪く、不良品の流出を防ぐために、最終検査(出荷検査)を強化して、水際で不良品が顧客に届けられることを防いでいました。
その結果、不良品の顧客への流出は防ぐことが出来ましたが、よくよく考えてみると
「不良品が製造されている事実は変わりなく存在している!」
ということです。
その対策として、
「そもそも不良品を製造しないための仕組みを構築し、運用しなくてはならない」
というものです。具体的には、不良品を製造しないために、製造プロセスの川上から川下のすべてのプロセスを管理することにより、不良品の発生を抑えるのです。これが、「品質管理」であり、我が国日本の製造業における「品質管理」は世界一と評価されています。
この「世界一の品質管理=プロセス管理」 を人事評価制度に取り入れた仕組みが「プロセス人事制度」なのです。
また、あるとき、中国に進出している某社長から次のような相談を受けました。
「現地の中国人労働者は、作業結果さえ良ければ問題ないという極端な考え方があり、困っている」と。
そこで、当社の主席コンサルタントが提案した人事評価制度が、作業結果に至る工程(プロセス)も評価対象とする「プロセス人事制度」なのです。
「プロセス人事制度」とは、成果(結果)に至る、様々なプロセスも評価に加えていく仕組みのことです。
また、プロセスを明確にすることにより、人材の育成が非常に容易になります。
最高の教育システム(人材育成システム)と人事制度

教育訓練が実施されているとは言っても、残念ながら、計画性のないまま意味のない教育を漫然と続けている組織が非常に多く見られます。教育訓練とは本来、適切な人事評価制度と日々実施している作業の一連のプロセスと繋がりを持って初めて有効に機能するものなのです。
プロセスとは
プロセス人事制度を運用するためには、まずはプロセスの理解が欠かせません。
適切な結果を得るためには、一連のプロセス(手順)があり、そのプロセスを適切に実施した結果が成果なのです。つまり、成果に至るまでの各プロセスを適切に処理することによって、よい結果が得られるのです。この場合の結果は、決して偶然できただけの事象ではありません。一貫性を持たない人事制度の下では、この偶然の事象も「成果」として評価されがちなのです。

まずは、日々の様々な作業の中から、部署ごとに一連のプロセスを洗い出します。評価制度の構築や能力向上が目的の場合はプロセスの順番には、こだわらなくても構いません。
以下は設備改修工事業者の営業担当の業務の中からの洗い出した一連のプロセスの例です。

日々の作業の一連のプロセスに連動した人事制度とは
上記の一連のプロセスにそれぞれ要求事項を明確に規定します。プロセスの要求事項とは、そのプロセスを担当する要員に必要な力量のことです。この作業をプロセスごとに行うことにより詳細な制度が構築され、プロセスに対する評価が可能になります。
プロセスの要求事項は等級ごとに異なります。1等級の要求事項もあれば、4等級の要求事項もあり得ます。


プロセスの要求事項が明確になったら、各要員の力量を鑑みていずれかの等級に位置付けます。
その後は、各要員が位置づけられた地位において、いかに能力が発揮できたのかを検証しなければなりません。
そのためには“能力発揮基準”を予め定めておく必要があります。ほとんどの評価制度では、この“能力発揮基準”が明確にされていないために、評価のばらつきが起こり、どのように評価すべきか評価者が頭を抱えることになってしまうのです。
プロセス・人事制度に連動した教育訓練とは
教育のニーズを明確にしないままの教育訓練では残念ながら成果も限定的です。教育のニーズを明確にするには要員の現状の力量を把握した上で、組織や上司が要求する力量を明確にする必要があります。


プロセス人事制度の導入で解決できたこと(導入企業からの感想)
- 「成果さえ出していればよい」という考え方が根底から覆りました
- 従業員からの評価結果の満足度が格段に上がりました
- 正しいことをコツコツ実施する社員を正しく評価できました
- 「プロセス人事制度」の導入により、従業員ごとが到達すべき力量のハードルが明確になり人材育成が非常に容易になりました。
- 能力不足を理由による社員解雇のための理由が明確になりました
- 殺伐とした雰囲気がなくなり、一致協力する空気になりました(評価対象のプロセスはいろいろな作業と絡み合っているため)
プロセス人事制度の構築のための期間

組織の状況により異なりますが、六カ月から十五か月くらいです。
「プロセス人事制度」の概要については、当社主席コンサルタント(山本)が執筆した書籍である「プロセスリストラを活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成の実践手法」(日本法令発行)に触れてあります。
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